寺社仏閣の歴史的事件を辿って見る

宗教と歴史は切っても切れない関係にあり、有名な事件だと比叡山延暦寺の焼き討ちなど日本史に大きく関わっている寺社仏閣が非常に多くあります。背景を知れば、その寺社仏閣を見る目も少しだけ肥えるというものです。ぜひ歴史的事件から、興味を持った寺社仏閣に行き、その長い歴史に想いを馳せてみましょう。

歴史が古いものから紹介していくと、まずお寺が強い権力を持った象徴として語られるのが「宇佐八幡宮神託事件」です。別名を「道鏡事件」と言い、宇佐八幡宮が称徳天皇に対し「道鏡が皇位に就くべし」と託宣を渡し、当時僧侶であった弓削道鏡が天皇に就こうとした事件を指します。現在も大分県宇佐市に現存しており、「宇佐神宮」という通称がつけられています。本殿は国宝に指定されており、荘厳で美しい外観は一見の価値ありと言えるでしょう。

宇佐神宮

http://www.tabirai.net/sightseeing/tatsujin/0000458.aspx

その後、時代は鎌倉時代に移ります。鎌倉幕府を開いた源頼朝ですが、鎌倉幕府を開くにあたり弟の義経を岩手まで追い詰め死に追いやったというのは有名な話ですよね。この義経が匿われた、岩手県の「中尊寺金色堂」ですが、こちらも世界遺産として有名なお寺となっています。そして源頼朝が開いた鎌倉幕府ですが、三代将軍であった源実朝が暗殺されたことにより、実権が完全に北条家へと移ることになります。この暗殺の舞台となったのが鎌倉の鶴岡八幡宮であり、現在も鎌倉の一大観光名所として知られている場所です。江戸時代に改築されましたが、それでも古い歴史を持った壮大な神社となっています。

鶴岡八幡宮

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その他にも非常に多くの事件がありますが、現存する寺社仏閣の中で有名な事件と言えば「方広寺鐘銘事件」でしょうか。これは豊臣秀吉側が関ヶ原の戦いで徳川側に敗れ、豊臣家が大阪で生活をする際、力をまたつけては困ると思った徳川が財力の削減を狙い寺社再建を提案した際に起きたとされる事件です。再建を行ったお寺の一つが「方広寺」と呼ばれるお寺で、このお寺の鐘に刻んだ文章のうち「国家安康」「君臣豊楽」と書かれた文字に対して、「家康を分断している」「豊臣がまた栄えることを願っている」と徳川側が受け取り、豊臣家が滅ぼされる大坂の陣に繋がってしまったとされている事件です。
方広寺は現在も京都府京都市に存在し、「国家安康」と書かれた鐘も重要文化財として保存されています。東大寺、知恩院の鐘と合わせ「日本三大名鐘」とされていますので、この三つを巡ってみるのも楽しい旅になるかもしれませんよ。

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