宗教の系譜から見る

寺社仏閣巡りを趣味にしている人は多いですよね。自然の整えられた庭園、古い歴史のある建築、どこか厳かな空気。どれをとっても、休日に訪れる場所に多くの人が選ぶ理由が分かります。ただ、多くの側面を持っているからこそ、どのように寺社仏閣巡りを楽しめばいいのか、また、今の楽しみ方から別の角度で楽しめないかと模索している人もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな寺社仏閣巡りの様々な楽しみ方を紹介していきたいと思います。ぜひ参考にして、今後の楽しみ方にスパイスを加えてみてください。

まず一つ目の楽しみ方ですが、宗教の系譜から巡る寺社仏閣を決める方法です。お寺は仏教、神社は神道としての歴史があり、○○派など系譜が多くあるんです。信仰、祀っているものなど、一つの系統から歴史をたどりながら巡ってみると、今までは分からなかった視点が得られるかもしれませんよね。
例えば空海大師が開いたことで有名な「真言宗」を見てみましょう。平安時代、当時の中国である長安に渡り学んだ仏教を基に空海が開いたのが真言宗です。816年に高野山金剛峯寺を開創し、823年に教王護国寺を真言宗の道場として、宗団を確立させたという歴史があります。この時点で、和歌山県の金剛峯寺、京都府の教王護国寺を真言宗の系譜として巡ることが出来ますよね。そして真言宗は日本の中でも分派が非常に多い仏教とされており、「古義派」「新義派」を中心に派閥が多く分かれています。その派閥ごとに、長い歴史を持って多くのお寺が建立されてきました。
世界遺産に登録されている有名なものだと、「仁和寺」が「真言宗御室派総本山」として、「醍醐寺」が「真言宗醍醐派総本山」として京都府にあり、観光が可能です。戦後に独立・分離したものもあり、東京には「霊雲寺」という「真言宗霊雲寺派総本山」のお寺があります。

仁和寺

https://ameblo.jp/enokiya-boss/entry-12393225372.html

醍醐寺

https://icotto.jp/presses/3459

霊雲寺

https://tesshow.jp/bunkyo/temple_yushima_reiun.html

古い歴史を持っているものから巡っても近代に向けての発見がありますし、建立が新しいもの、派閥が分かれていったものから古い歴史を持つものに向かって巡っていくのも、発見が多く趣の深い寺社仏閣巡りになるかもしれません。真言宗のほか、例えば最澄の天台宗は、空海と同じ時代に開かれた仏教でこそあれ、全く違う歴史をたどってきています。また鎌倉・室町時代には浄土宗や浄土真宗、また時宗に日蓮宗、そして臨済宗や曹洞宗など多くの宗教が新興しましたので、その中から選んでもいいかもしれません。

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