建築様式から見る寺社仏閣の違い

寺院や神社は、建築物としても価値が高いものとして知られています。例えば奈良の法隆寺のうち、西院伽藍は世界最古の現存する木造建築物として世界的にも有名です。 そもそも寺院と神社では建築方法が異なっているので、代表的な建物を例に違いを見ていきましょう。
まず寺院ですが、寺院の建築方法と言うのはもともと仏教が伝えられた中国の建築を基に建立されたものになります。ですので、まず屋根は中国由来の瓦屋根となっています。 時代が進み、建築技術が発展するにつれて変化してきますし、改築などの影響で変化があった寺院もあるかと思いますが、古い歴史のある寺院は殆どが瓦屋根で荘厳な印象を持たせる造りとなっているのです。

また建物自体の造りですが、仏教が伝わった初期の平安時代は、「和様」という造りで建設されています。 これは中国から伝わった建築方法を基に、日本の四季や天候に合わせ変化し発展させていった建築様式となります。 次いで、鎌倉時代以降は「大仏様・禅宗様」「新和様」という建築様式がセオリーな方法となっていきました。これは鎌倉の大仏など、寺院内に像を設置する際に発展した様式と言われていますね。
このように建築の観点からお寺を観るとき、古くは平安時代に唐(当時の中国)から渡ってきた僧侶が創設したと言われる「唐招提寺」や、岩手県で世界遺産となった「中尊寺金色堂」は一見の価値があるとされています。

和様建築

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E6%A7%98%E5%BB%BA%E7%AF%89

対して神社の様式ですが、お寺と違い屋根は茅や檜など、自然の素材で作られた屋根が主となっています。 「千木」、「堅魚木」と呼ばれる特徴的な部位を持つことでも知られていますね。建築様式は主に「神明造り」、「大社造り」、「権現造り」に分かれており、 特に神明造りと大社造りは歴史が古く、「伊勢神宮」や「出雲大社」などが代表的です。権現造りは、仏教建築の影響を受けた様式とされています。代表的なものに「日光東照宮」や「北野天満宮」が挙げられます。
また神社の場合、鳥居がありますよね。この鳥居も特徴的な建築様式を持っており、 「神明系」と「明神系」に分けることが出来ます。 諸説ありますが、日本三大鳥居としてよく挙げられるものに、 「厳島神社」「伊勢神宮(三重)」「春日大社」などが挙げられますし、 「厳島神社」や「伏見稲荷大社」も鳥居が美しいことで有名な神社です。 ぜひこれらを参考に、次に巡る寺社仏閣を決めてはいかがでしょうか。

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